2026.7.9 表千家 早苗蛍蒔絵雪吹 LESSON NOTE
皆さま今年は蛍は見れましたでしょうか?
鎌倉には小さな川があちこちにありますので、タイミングがよければ見ることができます。
6月初旬の蛍が見られる頃からお稽古でも使用していたこちらの茶器は、表千家13代即中斎宗匠の御好の写しで、「早苗蛍蒔絵雪吹(ふぶき)」です。 御好物集には「青貝入蛍早苗雪吹」と書かれています。
黒の大雪吹全体に早苗は青漆で、飛び交う蛍の頭は朱漆、尾が光る様子も螺鈿で繊細に表現されています。そして蓋裏や立ち上がりには早苗やほのかに蛍の光が描かれています。

「雪吹(ふぶき)」とは茶器の形のことをいい、蓋も身も上下に面取りが施されています。上下逆さにしても同じ形ですので、吹雪の中では天も地も分からなくなるということで「ふぶき」、通常の「吹雪」と字が逆なのは、天地が分からなくなるという茶人の言葉遊びのようです。

普段よくお稽古で使う「棗(なつめ)」と異なる点は、茶器の持ち方と、中のお茶のはき方です。(茶器にお茶を入れることを「お茶をはく」といいます。)
棗の場合は柔らかな稜線の「山なり」に、雪吹の場合は先が尖った「杉なり」にはきます。

お茶をいただいた後のお道具拝見では、亭主が丁寧にお茶をすくい、心を込めてお茶を点ててくれたことに心を寄せながら、茶器を拝見すると同時に茶器に残ったお茶も景色として拝見いたします。
そんな細部に宿る亭主の心入れを感じ取るためにも、お客としての稽古も欠かせないものです。ぜひお茶会などに行かれた際には随所に表される心入れや感動を見つけられてみてください。
表千家 助川
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